【書評】このゴミは収集できません ~ゴミ清掃員が見たあり得ない光景~

「このゴミは収集できません ~ゴミ清掃員が見たあり得ない光景~」を読んだ。芸人としでだけでなくゴミ清掃員としても働いているお笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢さんが書いた本である。

マシンガンズは子供の頃よく見ていたテレビ番組「エンタの神様」で何度か見た記憶がある。正直あんまり面白いと思ったことはなく「あー次マシンガンズかー」と思って見ていた。

あと「ですよ。」も「うわー次ですよ。かー」だった。思い返してみると毎回半分くらいエンタ芸人にはそんな感想を抱いていた気がする。けど毎週見てたからなんだかんだ「エンタの神様」は好きだったんだろう。

そんな別に好きでもなんでもないマシンガンズの滝沢さんが書いた本「このゴミは収集できません」が面白かった。同氏著の「ゴミ清掃員の日常」も買ってしまったほどだ。

自分の知らない世界を覗き見たときの面白さがある。

毎日ゴミを出す僕たちにとってゴミ出しはとても身近な行為なはずである。しかしそのゴミを回収するゴミ清掃員について考えることはほとんどない。そんな身近だけどあんまり考えることないゴミ清掃員についていろいろと教えてくれる。

意外と知らない分別の仕方やゴミ清掃員視点から見た地域によるゴミ出しの仕方の違いなど。タメになる情報が面白いエピソードと一緒に紹介されていてスラスラ読める。

このゴミは収集できません ~ゴミ清掃員が見たあり得ない光景~の目次
第1章 ゴミ清掃員はつぶやく
第2章 ゴミ清掃員プロファイラ
第3章 嘘に翻弄されるゴミ清掃員
第4章 事件です!!ゴミ清掃員
第5章 ゴミ清掃員、格差を斬る
第6章 ゴミ清掃員のおすすめ物件
第7章 ゴミ清掃員の花鳥風月!?
第8章 ゴミ清掃員の一日
第9章 ゴミ清掃員とゆかいな仲間たち
第10章 ゴミ清掃員、無法者を取り締まる
第11章 私、ゴミ清掃員が日本の未来に物申します

ゴミを入れた袋が破けるかもしれないからシュレッダーはあった方が良い

回転板に挟まれた袋が弾けて、パーンという音と共に飛び出してきたのは、何枚ものプリクラ。道路に散らばったプリクラを拾い集めていると、女の子二人が写っていて、「ずっと友達」みたいなことを書いてあるのが目に入って笑ってしまった。ずっと友達のプリクラを、ものの見事に捨てている。

ゴミ収集車に投げ入れられたゴミ袋は回転板によって袋の中身が飛び出てくることがあるそうだ。個人情報がたくさん書かれた請求書、宅急便の宛先、DMが飛び出てくることもあるらしい。しかもシュレッダーで裁断済みのではなくそのままのである。

僕は正しくそのタイプで住所が書いてある書類もそのまま捨てている。プリクラについては撮った経験自体がほぼほぼないので捨てることもないが、写真を捨てるときは破いたりせずそのまま捨てていた。そういう写真が過去同じように中身が飛び出て誰か知らない人の目に触れていた可能性があると考えると急に恥ずかしくなってくる。ちゃんと細かく切ってから捨てればよかった。

ゴミ清掃員の人がそれを悪用するとは思ってないけど、飛び出た拍子に強風が吹いて回収できないくらい遠くに飛んでいって激悪な人の元にたどり着いたらどうしよう。シュレッダー買おうかな。

ゴミ出しに民度があられる

引っ越しを考えるときに家の家賃や間取り、駅までの近さを物件探しの条件に加える人は多い。それと同じくらい御近所さんや同じアパートやマンションに住む人の民度も重要なはずだ。

しかし実際に引っ越しをしようとしたときに民度に重きを置くことは少ないように思う。単純に住んでもない街の民度を把握することが難しいからだ。もちろん評判の悪い街であれば予め候補から覗くことはできるだろう。

しかしそれより小さい単位、自分の家の近隣や同じマンションなどの民度を知ることは簡単ではない。

ところが民度はゴミ出しをチェックすることでわかるかもしれないのだ。

引っ越し先の近辺を歩いてみて、周りの集積所が綺麗に使われていれば、恐らく各箇所でグループになり、きっとゴミ当番制を敷いて、担当の人間が責任を持って片付けていると考えていい。そういうところに属している人間ならば、袋に燃えるゴミだろうが、燃えないゴミだろうが構わず入れてしまえという発想にはならない。普通の人なら担当者の顔が思い浮かんで、あそこの人は分別もできないのかと陰口を叩かれるかも、と思うので分別するものだ。

集積所が綺麗なところと汚いところにある差はご近所さんの「目」があるか、もしくは管理者がちゃんといるかどうかだそうだ。

確かに民度が低い場所はゴミの分別がされていないイメージがある。もし事前に集積所を見て汚かったらあまり近所同士のコミュニケーションを取らない場所であったり、アパートやマンションであれば管理人があんまり仕事をしていなかったりする物件かもしれない。

何かあったとき賃貸ならすぐに引っ越すことができるが家を買うとなるとなかなかすぐに引越しとは行かないだろう。家を買うくらい大きな決断をするなら引越し先のゴミ出しの状況くらい確認して見ても良いかもしれない。たぶん僕は次引っ越しするとき見てしまうと思う。

ゴミ清掃員に対するクレームがあるなんて

生まれてから一度もゴミ清掃員に対してクレームを入れたことがない。というか不満に思ったことがない。しかしゴミ清掃員もクレームを受けているそうだ。それもウソによるクレーム。「ゴミを取り忘れている」というクレームが結構あるみたいだ。

自分達のミスであれば、住民様申し訳ありませんでしたと素直に言える。しかし、ウソで苦情を言われると困る。保育園に迎えに行くと言っていたのに、遅れそうだから連絡を入れなければならない……と嘆いていた、いつかの運転手が可哀想でならなかった。僕だってそれでお笑いのライブに遅れたことがある。

ゴミをもう一度取りに行くとなるとその移動した分当然仕事が終わる時間が後ろにずれる。残業したくない人間にとって辛いことだ。それが嘘のクレームとわかれば余計にだ。ゴミを出し忘れれば次のゴミ回収の日まで自分の家の中に置いておかなければならない。それがいやなのも分かる。けどその自分に否のある不満でクレームをつけてゴミ清掃員に迷惑をかけるなんてしてはいけない。

本書を読むことでどんな人がゴミ清掃員として働いていて、どんなことで苦労しているのか分かる。読んだ後なら嘘でクレームをつけてやろうなんて気持ちにはならないだろう。むしろ毎日のゴミ捨てに気を使うようになると思う。

意外と知らないゴミについての話。タメになるだけでなく面白エピソードもたくさんあるのでちょっと自分の知らない世界について覗いてみたい人読んでみると良いかもしれない。